超論理思考の仕事術 ストーリーテリング③ わかりやすく表現する
『頭のいい人』はわかりやすく表現することが苦手な人が多いです。というより、あまり、わかりやすさに重きを置かず、いいことを話すことに力点を置きがちなのではないでしょうか?
わかるという奇跡
わかるということは、あなたの言ったことが、聞き手の脳の中にあるアルゴリズムに同化あるいは結びついた時に起こります。 奇跡的な出会いです。
多くのわからない言葉は忘却曲線に沿って忘れ去られていまいます。一方、聞き手の感情(無意識の脳にある)を掻き立てた事実は深く聞き手の脳内に結びつき残ります。
わかりやすさに関する2つの公式
①いい話=わかりやすさ×使える(有用性)
いくらわかりやすくても、何も新たに使える情報を含まなければ、いい話にはなりません。わかりやすさと有用性が結びついて、はじめていい話になります。
②わかりやすさ×詳しさ=一定
詳しく話せば話すほど、わかりにくくなります。
先のブログで、構造化・結晶化ということを書きましたが、
あなたのあふれ出る言いたいことを「要は何を言いたいのか」の本質を突き詰めて、言葉を一語でも削る必要があります。
イメージ伝達の活用
わかりやすくするためには、写真や絵などのイメージで伝えることは有効です。聞き手の脳内は画像の方が結びつきやすいからです。イメージでは「正確に」伝わりずらいという欠点がありますが、ストーリーテリングでは「正確さ」よりも「わかりやすさ」に力点を置きます。
まとめ
せっかく聞き手に有用なストーリーであっても、わかってもらわないと意味がありません。 わかってもらうのは奇跡に近いものです。徹底的にシンプルに伝えましょう。
超論理思考の仕事術 ~ストーリー・テリング② ストーリーを構築する
魅力的なストーリーを構築するポイントは目次なしで、「ボトムアップ」で話す内容を構築することです。
普通の説明は目次があり、それを埋める情報を探してきて、整理して、話をする形です。もともと大まかな目次があらかじめあり、それを下に具体化していくイメージなのでここでは「トップダウン型」と呼んでいます。
感動を呼ぶストーリーはどう構築するかというと、
①構想化
1)あなたが「感動した」「どうしても伝えたい」欲求に駆られる情報やアイデアを書き貯めます。
2)集まった伝えたい情報をKJ法などでグルーピングして、どんどん簡単にしていきます。(これを「構造化」や「結晶化」といいます。)
②表現への転換
起承転結で構造化した内容をマッピングしていくのがいいと思います。。
起では、テーマの象徴となるファクトを話します。
承では、そのファクトに関する「自分の想いや課題意識」を書きます
転では、その課題意識に対して、自分はどういう切り口で対応していくのか
結では、対応をより具体的に話します。
前半の起承ではそのテーマの背景(Why)を述べており、ストーリーにおいてはWhyがとても重要だということと整合しています。
転では、課題解決のアプローチ(Whatの概略)が一言で語られるイメージです。
結はストーリーではあまり重要ではないですが、具体的にどんなことをやるか「象徴」的なことを語り全体のイメージをより深く理解してもらえるようにします。
まとめ
ストーリーの構築は自分の感動したこと、感じたことを、下手でも、まとまりがなくても構わないのでイメージとして伝えることが重要です。 アタマのいい人があるように、テーマに沿った内容を網羅的に入れ込もうするとあなたの想いは伝わりません。
超論理思考の仕事術 ~ストーリー・テリング① あなたの想いをちょい足しする
管理職になると人前で話す機会が増えてきます。
どうしたら魅力的な話ができるのかを考えてみましょう。
第1回目の今回は、何を話すのかについて考えます。
普通の人がストーリーテラーに変わる最も重要なポイントは、
「事実に自分の想いをちょい足し」ことです
例えば、会社の方向性を話すことになったとします。
『普通の人』は知っている内容・事実のみを話そうとします。
自分の知りうる限りの情報を盛り込もうと。。。
『ストーリーテラー』は自分が重要だと思う事実を話し、それに関連した自分の「内面の想い」を語ろうとします。
例を話します。
ある会社が、3年で売上を倍にしたい。そのために、新たなサービスを軌道に乗せ、アジアを主とした海外展開を行うという事実がある場合、『普通の人』はこの事実についてのみ話します。
『ストーリーテラー』は、なぜこの事実が重要だと自分が思うのか、新たなサービスを軌道に乗せるのにはどういうチャレンジが必要だと思っているのか、海外展開をすることで、将来的にどのような更なる成長機会が考えられるのかなど、自分の感想や想いを主体として話します。
これは心理的なハードルを越える必要があります。
あなたが多くの人の前で事実でなく、自分の思っていることを語ることは勇気のいることだと考える人も多いと思います。私自身も、「僕の思うことなんて誰も聞きたがっていないよ」と思っていて、踏ん切りが必要でした。
誰もが驚くほど、ある事実に対する意見は異なり、様々な視点でその事実を理解することはとても重要なことです。
ぜひ皆さんも、事実に自分の考えをちょい足しする習慣をつけてストーリーテラーとしての第一歩を歩んでください。